家造りの基本と工事中検査の先駆け
最も確かな家造りは、建築主自らが手間暇をかけ、信頼できる設計事務所に設計監理を依頼し、原則として見積り合わせ(入札)で施工者を決めることです。
が、現実はハウスメーカーや工務店へ設計施工で依頼する建築主が大多数で、設計監理の形骸化、不十分さが多くの欠陥住宅を生む原因となっています。
1997年以後、欠陥住宅被害者救済活動を続けてきた私達は、その経験から設計施工で家造りを行う場合は、工事中の第三者検査を行うことが安全・安心な家づくりの最低条件であると考え、全国に先駆けて工事中第三者検査をスタートさせました。
もとよりこの検査は、設計事務所が行う「設計監理」に替わるものではなく、建物構造体の安全確保に限定した業務です。
ハウスメーカー・工務店が依頼する第三者検査
建築関係法令の改定・瑕疵担保保証の法的義務づけが始まり、ハウスメーカー等の現場でも、配筋やコンクリート打ちが終わった段階で検査会社が訪れ、目視や写真を撮ったりして多くの場合「適正・支障なし」と報告書が出されます。
一般には、こうした検査もやらないよりはやった方が良いと言えますが、検査費用をハウスメーカー・住宅会社から貰うことで、検査自体が業者に甘くなる傾向があり、中にはアリバイ作りに使われて、有害な場合さえあります。
第三者検査は建築主自身が依頼・費用負担し、自らの利益を守る条件作りをすることが、「安全・安心」な家造りのスタートラインとお考え下さい。
当事務所の第三者検査
当事務所の「工事中の建物検査」は、設計施工の弱点である設計図の不十分さをチェックし、地盤・基礎・構造体中心の検査を行い、重大な欠陥を防止することに主眼を置いています。
設計図書、地業(杭打ちや地盤改良等)、基礎配筋、コンクリート打ち、建方完了時の5回の検査が標準で、オプションの防水工事や内装工事前、竣工時等の検査も可能で、業務委託・受託により、担当一級建築士の責任において実施します。
費用は検査報告書共で、1回につき52,500円(税込み)です。
類似業務で、マンションや建売住宅・中古住宅購入前調査も行っています。
工事中の第三者検査をお考えの方は、全国に先駆けて「工事中の建物検査」を始めた、実績豊富、経験豊かな当事務所へご相談ください。
せっかく建てたわが家が危険で住めなかったり、たとえ住めたとしても一生その家で嫌々生活する
欠陥住宅は、「まさか自分は大丈夫」「もしそうなっても誰かがなんとかしてくれる」
…ひょっとして、そんなふうに思ってはいませんか?
そんなあなたは「要注意」です。
欠陥住宅とは
欠陥住宅とは、業者による重大な施工ミスにより発生し、基本的には建物にあるべき部品を本来あるべき状態で取り付けや施工がされていなかったものです。 よくある欠陥住宅事例としては、床の不陸、腐食・錆、漏水、クラックなどがあげられます。
欠陥住宅で大きくマスコミなどに取り上げられた事件は、構造計算偽造による事件です。この事件は姉歯物件だけでなく福岡や札幌でも発覚し、施工欠陥が重なったものもあります。愛知県では無資格者による設計が発覚する事件も起こりました。
これらは氷山の一角とも言われ、どこまで広がるのかと不安が拡大しています。
またホテルの不法改造や悪質リフォームの横行もあり、国民・消費者には不安と建築界に対する不信が広がっています。
このような欠陥住宅ができる過程には建築関連法や確認審査制度の不備がありますが、それに照らし合わせて見ても元請け・下請け建築事務所、デベロッパー、コンサル会社、施工業者、確認審査機関、自治体の各々に業務上の瑕疵やモラルの崩壊があり、それが一挙にに露呈した複合事件だと思います。
こんな建売住宅は買っていけない
建売住宅・建築条件付き住宅は、一見安く見せるために、土地代の利益分を含めて、建築工事費に多くの経費と利益を上乗せしています。その結果、建築工事費にしわ寄せがくることがあります。
経費と利益を多くとり、建築工事費が必要以上に少なくなると住宅の目に見えない箇所、基礎、柱・梁などの構造部分で手抜きをすることがあります。
■建売住宅を買う人はこれだけは確認をしてから契約を!
- 地質調査報告書を見せてもらう!
- 基礎工事、構造部分の施工途中の写真を見せてもらう!
- 3階建ての場合は、構造計算書を必ず見せてもらう!
被害調査事例
◇地盤調査を怠る、地質調査結果の判断の間違い
地質は千差万別なのに調査を怠るのは論外であるが、実施しても性格な判断を怠る(能力がない)場合がある。
杭の長さや位置の間違い、表層改良の杜撰工事(混和材の量や転圧厚さの手抜き)
◇基礎の設計や工事
安易にベタ基礎を設計し、コンクリート厚さや鉄筋量の不足、鉄筋被り厚さや定着長さ不足、コンクリート強度や軟度、締め固めに問題があったり、養生不足、脱型枠が早い等がある。
◇木造の構造体(軸組)
耐力壁(筋交い等)の不足やバランスの悪さ、接合金物の不足や取り付け不良、乾燥不十分な木材使用による大きなひび割れや反りが発生等。
◇木造の構造体(ツーバイフォー)
耐力壁用構造合板が組み立てる前に雨に当たったり、建て方完了までの間に降雨にあい、シートで覆うことを省く為に、合板の不朽やクギ(ビス)のめり込み過ぎや間隔、位置不良も多い。
◇鉄骨の構造体
構造計算を省いたり、計算ミスや偽装、鉄骨断面不足、最も多いのは柱と梁の溶接部の欠陥で、必要強度の約半分程度の物がある。
揺れに対する配慮不足、基礎コンクリートと鉄骨柱の接合部の欠陥もある。
◇鉄筋コンクリートの構造体
各階の打ち継ぎ部の不良が雨漏り発生の原因になります。他は基礎の項と同様。
◇雨漏り、漏水
屋根や外壁、サッシュ周りからの雨漏り、配管継ぎ目からの漏水が多い。
★最近多いのは造成地や崖地に建った住宅の不同沈下があります。
造成地、崖地は斜面を削ったり、盛ったりして平らな敷地を作る事から、切土と盛土が敷地内に混在します。
また、鉄筋コンクリート製擁壁を設ける事も多く、その場合は掘削と埋め戻しが伴います。
切土と盛土又は埋め戻し部分が沈下し、切土との境界線付近の基礎に大きなクラックが発生することがあります。
格安住宅にひそむ落とし穴
ハウスメーカーの価格表示は建物本体の価格なので、実際に住めるようにするには他にも費用がかかります。まず、それを理解しておかないと金銭トラブルの原因となります。
■自分でできる確認作業
- 安全性(建築基準法の基準以上の安全率で)にどの程度配慮しているか聞く!
- 耐久性や住む人の健康に対し、材料などでどのような配慮をしているか聞く!
- 以前にその建築士が設計した家を見たり住み心地を聞いたりしよう!
- 問題が生じた場合、どのように対処しているかを建築士に聞く!
奇抜なデザインにひそむ欠陥に注意が必要
奇抜なデザインの建物や窓が大きく開放的な建物、手すりが極端にシンプルな建物などには危険性の高い建物が多い。
例をあげると、ある建築主から「予算が少ないので基本の仕様のままで建てたかったが、普通に住める状態にするためには屋外の配管工事などの追加費用が400万円以上かかって予算計画がくるった。」という事例もあります。
■トラブル防止のために確認を!
- 何が基本価格に入っているのか。それらを設置するといくらかかるのか。
- 基本単価の材料の品質はどの程度か。
- モデルハウスの仕様とはどこが違うのか。
- オプションには何があり、いくらかかるのか。
他に必要な費用はいくらか。