類別 悪質リフォーム(1) 引き抜き防止金物
平面形状や耐力壁の配置を調べずに耐震診断をするのは不可能です。しかし、ほとんど調べずして無料点検と称し、床下や天井裏に入り、耐震性の不安を煽ります。
こちらの事例はまったく耐震効果のない後付け引き抜き防止金物を施工したものです。
昔からリフォーム工事はありましたが、多くはその地域の建築会社や工務店・職人さんが地域ネットワークによる信用を基に工事を行ってきました。
今日でもこういした会社や職人によるリフォーム工事は比較的適正に行われています。
一方で、最近社会問題になっている「悪質リフォーム工事」は、住宅戸数の充足、不況の長期化、資源の有効利用、耐震補強の必要性等から、リフォーム需要が増加する中で、単に金儲けを考えた新規参入者が増え、建築知識・技術の欠如による欠陥工事が多く見られます。
その中でも、訪問販売・点検商法と呼ばれる「悪質リフォーム会社」は、無料点検を口実にユーザーとの面談にこぎつけ、言葉巧みに契約を迫ってきます。
このようなことで、被害に合った方の多くは最後までリフォーム会社の社員を「親切でいい人」と思っていて、家族や周辺の方が気づかないと被害が表面化しないことが多く、被害判明件数は氷山の一角と言われています。
最近の傾向としては、悪質耐震補強への社会的批判の高まりがあってか、一般リフォームを装った過剰、法外金額、杜撰工事が増えています。「私は大丈夫」と思っている方も、思わぬとことで悪質リフォーム被害に遭遇してしまう可能性があります。自身で建築知識を身につけたり、被害に合った場合の対処方法を知っておく必要性がありますよね。
さまざまな手口が浮上している悪質リフォーム。
こちらで紹介する事例も、合理的に見せかけて、すべて無駄な施工ばかりなんです!
平面形状や耐力壁の配置を調べずに耐震診断をするのは不可能です。しかし、ほとんど調べずして無料点検と称し、床下や天井裏に入り、耐震性の不安を煽ります。
こちらの事例はまったく耐震効果のない後付け引き抜き防止金物を施工したものです。
こちらは小屋(天井)裏に入り、「雨漏りしている」「腐っている」「断熱材が不足」等と嘘を言い、除湿材、換気扇、木材塗布材などを契約させたケースです。
さらに、不要・過剰・法外金額な小屋裏補強金物も施工されています。
地震対策と称して行われる床下補強工事。防虫ネット設置や点検と称して床下に入り、湿気・シロアリ被害がある。木材が腐っている等の嘘を言い、除湿材、換気扇、空気浄化機、床束、塗布剤工事を行う。
その他に屋根、外壁、水周り、配管、浄水器、光触媒、一般リフォームがあります。
◆80代母親と50代息子さん所帯(築30年木造2階建、延べ44.6坪)
約4年間に8社と39回の契約。総額5300万円余。
床下換気扇・・・4回 床下塗布材・・・4回 小屋裏換気扇・・・1回
小屋裏断熱材・・・1回 配管設備、枡・・・3回 床下調湿材・・・6回
床下補強・・・6回 光触媒、シロアリ消毒・・・各1回 屋根葺き替え・・・1回
パイプ洗浄・・・1回
◆70代女性独居(築33年木造平屋建、延べ25坪)
8年間に11社と20回の契約。総額約4340万円
床下換気扇・・・1回 小屋裏換気扇・・・1回 小屋裏断熱材・・・1回
太陽光発電・・・3回 水周り改修・・・3回 床下調湿材・・・3回
床下補強・・・5回 浄水器・・・2回 屋根ラバー、葺き替え・・・各1回
引き抜き防止金物・・・1回
こちらで紹介した事例のほかにも、様々な事例、手口があります!悪質リフォーム事例についてのお問い合わせはお電話もしくはメールフォームからどうぞ!
>>お問い合わせ
昔からリフォーム工事はありましたが、多くはその地域の工務店や大工等の職人が、地域ネットワークによる信頼関係を基に工事を行って来ました。
ところが、リフォーム需要が急増するに従って、他の分野や材料、設備、家具等の建築のごく一部を扱っていただけの新規参入業者が多く現れました。
こうした新規業者は当然ながら、建築知識・技術の低い者が多く、中には最初から金儲けだけに走る場合があります。
また、実績が少ない為に、訪問販売による営業手法が多く点検商法と結び付いた、いわゆる「悪質リフォーム業者」が含まれています。
最近まで「耐震診断・耐震補強」が悪質リフォーム被害の大半で、高齢者が殆どでしたが、被害報道・啓蒙活動等の影響で、悪質リフォーム業者は新たな対応を迫られ、手口は進化・多様化しています。
不用品買い取りサービスを口実にしたり、光触媒、防犯、防火、太陽光発電等や、面積当たり工事費が分かりにくい、水回り等一般的リフォームが増えています。
今後要注意なのは、エコポイント等各種補助制度を口実としたものです。
手口の特徴にあまりとらわれないで、簡単なリフォーム以外は、最初から第三者建築士・専門家に依頼・相談することが、悪質リフォーム被害防止の決め手になります。
どんなに気をつけているつもりでも、被害者が絶えない悪質リフォーム。
被害に合わないための心構えを少しご紹介します。
悪質リフォーム会社は短期間に解散、別会社設立を行ったり、最初から実体のない場合や、住所、電話がデタラメな場合もあります。
残念ながら、こうしたケースの被害の救済は難しいのですが、会社実体・返済能力がある場合は相当の確率で救済されます!早めの対処が何よりも大切です。
建築士が調査を行い、「特定商取引法」や「建築基準法」等を元に、不要、過剰、法外金額、杜撰工事等の資料を作成し、当事者交渉や弁護士に委任交渉、場合によっては訴訟(裁判)を行うことで救済の可能性が出てきます。
内容によりますが、工事済み・支払済み金額の1/3~1/2、時には2/3を取り返したこともあります!!「すでに工事済みだから・・・」「もう払ってしまった」と諦めないで、相談や調査を依頼してくださいね。